「『大好きなんです、あなたのことが。』~自治体、必死のCM完成」
いきなり女の子が愛の告白をする、
TVCMを納品させていただきました。
この愛の告白は、誰のためなのか。
なぜ、“お目当ての男子”は、
そっぽを向いているのか。
「地方自治体」と「市民」の、
古今東西不変の、滑稽な関係を、
アイロニーたっぷりに描かせていただきました。
この4年間で、
■京都市バス、黒字化
■待機児童数ゼロ達成
■「世界の人気都市No.1」を2年連続達成
(世界で最も影響力をもつ旅行雑誌の1つ、
アメリカ「Travel + Leisure(トラベル・アンド・レジャー)」誌が
行った読者投票「ワールドベストアワード2015」にて)
の他、犯罪件数やゴミの量の減少など、
こつこつと努力を続けている京都市。
そもそも、公営交通のバスなどは、
東京都以外ほとんど赤字ではないかと思われる中で
この数字は素直に賞賛されるべきことです。
(観光客が多い場所とは言え、なかなか達成できない数字です。)
基本的に、大半の公務員の方々は、住民のことを思って、
毎日こつこつと、真面目にお仕事をしてくれています。
ただなかなか、“お上へのやっかみ”もあって、
住民から褒めてもらえることは、通常ありません。
(洋の東西を問わず、どの国でもほぼそうみたいですが…!)
いわば、自治体と住民の関係は、
“自治体からの、一方的な片思い”
に終始していることも多いのです。
私たち市民は、自治体が何をしているかについて、
とことん無関心。
よっぽど政治や行政に関心を持っている人以外、
「え、バスって、黒字になってたんや??」
ぐらいの認知度だと思います。
もちろん、自治体側からの「PR」の仕方の下手さ、
本気度への不満、皮肉もたっぷりと
この映像には詰め込んだつもりです。。
(台詞の言い回しの朴訥さ、微妙な不器用さなどを、
演出に込めてみました。)
こんなケンカを打っているような
企画のCM、絶対に京都市さんに
「うちを批判するとは、何事かー!!」
と、ボツにされると思ったのですが、
何とお許しが出て、びっくりしました!
自治体ももっと努力・工夫をしないといけませんし、
私たち市民も、正しく関心を持ち、
褒めるところは褒め、意見するべきところは
きちんと意見する。
そういった「お互いええ仕事をする」ことによって、
京都市も、もっともっと魅力的な町に
なっていくのだと思います。
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■撮影:坂口 周兵さん
<「ザ!鉄腕!DASH!!」「ロンドンハーツ」「シルシルミシル」など
地上波番組およびCMなど多数>
(タイムリー)
■デザイン監修:古島 佑起さん
<月桂冠、太平洋クラブ、大阪芸術大学、大阪大学、
奈良の芸術祭「はならぁと」などアートディレクション・デザイン多数>
(ことばとデザイン)
■Special thanks:秋田 尚吾さん、塩冶 紘司さん
■監督・企画・脚本・編集・プロデュース:
秋山 理二郎 (第弐表現)
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実は、このTVCMは、
動物は1匹も出てきませんが、
来園者増加中の「京都動物園」で
撮影させていただいております。
どうしても“美しい背景”がほしくて、
いろいろとロケハンさせていただきました。
国内で一線級のスタッフさんを集めて、
いろいろと工夫を凝らしましたので、
毎日山ほどCMが流れてくる中でも、
「違和感」
がきちんと残るように仕上がったかなと思います。
地方自治体のCMを
関心持って見てくれる人は、
通常、なかなかいないと思いますし、
何とか「ん、ナニコレ!?」と
とっかかりができるように、
当初から企画させていただきました。
結果的に、
「へぇー、京都市けっこうがんばってんねや」
「Webで“京都市の数字(=市政の通信簿)”見たろかな」
と思ってもらえたら、このCMとしては“目的達成”です。
尚、この「愛の告白」CMの音楽は、
現在、地上波連続ドラマ、映画などで
次々に作品公開になっている、
とっても素敵な作曲家さんにご協力いただいております。
文字通り、私たちだけでは絶対に作れないCMです。
たくさんの素晴らしい方に力を貸していただき、
やっと産み落とすことのできた、
大事な「子ども」のような存在です。
皆さん、本当に、ありがとうございました。